Fender Ampの真空管について。

今やGibsonとともに、世界的ギター・ブランドとなったFenderですが、元々Fenderはアンプ・メーカーでした。

Fender Ampの特徴は、高音域の美しい響きにあると思います。

クリーン・トーンはきらびやかで明るく、クランチ・セッティングでは乾いたブルージーさは、多くのギタリストに愛され、そしてロックの歴史と共にしてきたと言っても過言でしょう。

Fenderの創始者であるLeo Fender氏は、1940年代の半ばからアンプの製作を始めました。そして、時代毎に特徴ある外観とサウンドを持っています。

FenderがCBS社に売却された1965年以降、低迷が続いていたと言われますが、Fenderがその経営権を取り戻した1980年代以降、ヴィンテージのリモデルに加えて、意欲的に新しい時代のサウンドを追求しています。

Bassmanに代表される草創期のTweed Face、Twin Reverbなどのヴィンテージを生み出した黄金期のBlack Face、そして経営がCBSヘ移った時代のSilver Faceなどがあります。

昔のオーディオ・アンプはすべて真空管が使われていましたが、消費電力や安定性などの面から、現代ではトランジスタ・アンプが主流になっています。

その中でも、ギター・アンプについては例外的で、真空管を使ったアンプのサウンドはナチュラルな歪みを持ち、トランジスタ・アンプでは出せない特有のサウンドがあると考えられています。

今回は、ギター・アンプの回路内部に使われている真空管についてレポートしていきます。

 

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プリ管

ギターから出力された微弱な音声信号を、パワー・アンプで増幅させる役割があります。

音の硬さや明るさ、歪みなど、ギターとアンプを通して作られるサウンドのうち、基本となる音色を作ります。

12AY7、12AX7、12AX7

三極管です。三極管とは、陽極(+)・陰極(-)の間に電子の流れを制御する格子を備えたものになります。

12AX7タイプのもので、ピン配置は同じですが、増幅率が異なります。

12AU7<12AV7<12AY7<<12AT7<5751<12AX7

の順に増幅率が大きくなっていきます。

12AX7の増幅率を100%とした場合

  • 12AT7 60%の増幅率
  • 12AY7 50%の増幅率
  • 12AX7 各選別会社から出されており、そのサウンドは様々です。

ロング・プレート仕様品と互換性がありますが、ロング・プレートは構造上、スピーカーの振動を拾いやすいため、コンボ・アンプには向いていせん。

細かいことですが、注意しましょう。

パワー管

プリ管で作られた音声信号を、スピーカーを稼働させるまでの大きさに増幅するものです。

アメリカのアンプ・メーカーであるFenderやMesa-Boogieアンプでは6L6系、ヨーロッパのアンプ・メーカーのMarhsallやHiwattではEL34系が採用されています。

・6V6

6L6の小出力タイプで、1937年に開発されたものです。

ギター・アンプに使われる場合は、多くがペアで使用されており、約20Wの出力を持っています。

ヘッド・ルームが小さく設計されているため、小さい音量でもフル・ドライブの音が得られるため、クランチ・トーンを好むブルース・ギタリストに人気が高いようです。

トレブリーでカラッとした、いわゆるアメリカン・ブルース・サウンドと言えますが、6L6ほどのダイナミクスは感じられず、ややこじんまりとした印象です。

・EL84

6V6と同様のミニチュア管で、真空管では比較的主流な感を使用しています。

アメリカでは、6BQ5の名前で登録されています。

ギター・アンプではFender Ampの他、Vox AC30、Matchless、Badcatで使用されています。これらのアンプ・サウンドは、確かに系統が似ています。

EL34と比べると、高音域が抑えられたマイルドなサウンドで、繊細さに特徴があります。

特に小さな音量で音の粒立ちがはっきりした印象です。

フル・ドライブさせると歪みは十分得られますが、6L6ほどパワフルな歪みはありません。

ロシア製とスロヴァキア製があり、それぞれ暗めのサウンド、明るめのサウンド、という特徴があると言われています。

また、交換の際は、放熱などに十分注意して行ってください。

・6V6

アメリカのRCAが1936年に開発した世界初のビーム管です。

ビーム管とは、電極を増やした時に動作不安定となることがあるため、それに対応する機能を追加したものです。

ヘッドルームが大きく、中域に心のある図太いサウンドが特徴です。また、上記2つ比べて歪みにくいです。

その一方、大音量域まで音の透明感の高さを維持することができ、その音色はブラウニッシュ・クリーンと呼ばれます。

・最後に

当然ですが、プリ管、パワー管ともに寿命があります。

一般的にはパワー管の方が先に交換時期が来ると思います。

プリ管は抜き差しするだけですので、電気的知識のない素人でも出来ますが、パワー感にはバイアス調整という作業が必要になります。

これには電気回路の知識が必要です。また、交換の際は感電の危険性もあるので、専門のお店にお任せる方が良いでしょう。

初期のFender Ampには6SN7、6SC7などの真空管が採用されており、ヴィンテージ・サウンドを求めるギタリストにはいまだに人気があります。

Fenderに限らずヴィンテージ・アンプは、回路自体が劣化している場合も考えられるため、よりデリケートに扱う必要があります。

整流管

整流管は、真空管を動作させるために交流から直流電圧に変換する役割を果たします。

整流管には、グリッドと呼ばれる電極がないため、プリ管やパワー管のように音声信号を増幅させる機能がありません。

整流管を差し替えてみて、好みを探すのも良いかもしれませんが、接続されている平滑コンデンサーの値が整流管によって最大許容値が異なるため注意してください。

整流管は、経年などで当然に劣化していきますが、整流管の不具合はアンプの故障につながりますので注意しましょう。

  • 5AR4(GZ34) 双二極管 傍熱管 ヒーター回路傍熱式となっていて、無音時のハム・ノイズ音が少ないです。
  • 5U4G 双二極管 直熱管 ヒーター回路直熱式となっています。
  • 5Y3 直熱管 小型のFender Ampに使用されます。

整流管で注意すべき点は、オール・チューブ・アンプと宣伝している製品でも、整流管はダイオードで代用されているモデルが多いことです。

整流管も含めてすべて真空管を採用しているアンプは、Vox AC30やMesa-Boogie Rectifierシリーズなどです。

まとめ

Fender Ampは多くのギタリストに愛され、ロック・ギターに欠かせないものになっています。

そのFenderサウンドの核となるのはやはり真空管でしょう。

様々な機種が発売されているので、楽器屋さんで試してみてください。

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