ギターのアルペジオの初心者におすすめの練習曲。

アルペジオ(Arpeggio)とは、「分散和音」と日本語訳されます。

その名のとおり、「和音」=コード・トーンを1音ずつ弾く奏法です。

逆に言えば、そのコードを構成する音しか鳴らさないので、アルペジオを弾いていれば、とりあえず音を外したりはしません。

ギターに限らず、和音を鳴らせる楽器なら何でもアルペジオ奏法は可能ですが、今回は、ギターのアルペジオについて考えていきましょう。

 

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アルペジオについて

ギターのアルペジオ奏法では、ジャンルを問わず、幅広いシーンで使われています。

また、古くからあるスタンダードな奏法であるにもかかわらず、現代でも十分活用出来ますので、必ずマスターしておきましょう。

まずは、コードをしっかりと押弦出来るように練習し、それから1音ずつ鳴らしてみて、音が響くかを確認します。

それからメトロノームやドラム・マシンを聴きながら、リズムに合わせて音を鳴らしていきます。

初心者のうちは、「どれだけのコードを覚えたら楽曲が弾けるようになるんだろう?」と疑問に思うことがあります。

ですが、コードは無数に種類がありますので、頻出のメジャー/マイナーをいくつか覚えたら、どんどん楽曲を演奏していきましょう。

知らないコードは、その都度確認すれば良いですし、コード理論を勉強すれば、そもそもコードを暗記なんてしなくて良いのです。

アルペジオの練習に際して、注意点をいくつか挙げてみます。

  • リズムがモタらない、走らない(メトロノームを使うと良い)
  • ベース音は必ずはっきりと出す
  • 開放弦はきれいに鳴らす

以上がアルペジオを綺麗に聴かせるコツです。

先ほども書きましたが、これに1音1音がしっかりと響いているかを確認しながら練習しましょう。

ギターによるアルペジオの最大の魅力は、「そのギターの持つ美しい響き」を最大限に表現出来ることです(特に開放弦を絡めたプレイ)。

音と音がぶつかって、倍音が絡み合い、それがギターのボディに共鳴して生まれる独特のサウンドを、ぜひ自分でも出せるようになってください。

神田川

ギターのアルペジオがブームになったのは、60年代後半~70年代までに流行した、フォーク・ミュージックです。

フォーク・ギター1本の弾き語りで、繊細で美しいボーカル・メロディのバックを務めるスリー・フィンガー奏法のアルペジオが、当時大流行しました。

まず紹介したい楽曲が、かぐや姫というフォーク・グループの「神田川」です。

グループ名は聞いたことがなくても、楽曲は聴いたことがある、それくらい有名なフォーク・ソングです。

もし知らない方がいらっしゃれば、今ではYoutube動画などで聴くことが出来ますので、検索してみてください。

楽曲のキーはEmから始まる、典型的ストレートなマイナー調のフォーク・ソングです。

コードは4つ覚えるだけで大丈夫なので、それぞれボイシングを確認したら、早速楽曲を弾いてみましょう。

Aメロのコードは、以下のとおりになります。

  • EmーB7ーEmーEm
  • CーDーCーB7

まずはコード・チェンジをスムーズに行えるように、単純なストロークでリズムに合わせて弾いてみます。

アルペジオでは1小節を8分音符のみで弾いてみるのが基本中の基本です。

それに慣れてきたら、1段目の最後のEmからCのコードに移行するところで、コードのルート音の他にDをならしてベース音の変化を特徴づけてみてください。

また、歌いながらのアルペジオ奏法は慣れが必要です。ボーカルとギターのそれぞれのリズムがずれないように注意しましょう。

ルート音を綺麗に鳴らす大切さを理解するのにとても良い曲です。

サビ以降は、ネットで検索してみてください。

ここでは、最もアルペジオに適した部分について紹介しました。

こちらもフォーク・ブームで一躍有名になった中島みゆきの名曲「糸」です。

この楽曲をギター1本で上手に弾き語りが出来たら、結婚式などで人気者になれます。

BPMが70くらいの、非常にゆったりとした楽曲で、コード進行もダイアトニックに沿ったものですので、比較的覚えやすいでしょう。

テンポが遅い楽曲は、実は弾くのがとても難しいので、リズムの確認に重点を置くのが良いです。

実際弾いてみると、開放弦を綺麗に鳴らすことがポイントになっており、これもアルペジオの原則と言えます。

とりあえず今回は、初心者向けに簡略化したコードを示してみました。

開放弦の邪魔にならないように、押さえる指はしっかり立てましょう。

・Aメロ

GーCーGーG

EmーBmーAmーD

GーCーGーG

EmーBmーAmーD

・Bメロ

EmーBmーCーG

EmーBmーAmーD

・サビ

GーDーEmーG

CーBmーAmーB7

EmーB7/D♯ーDーA7/C♯

AmーDーGーG

サビの3段目に出てくる特殊なコードは、「オン・コード」と呼ばれています。

簡単に説明すると、B7のコードに最重低音のD#を加える、という意味ですが、ギター1本で弾くには困難だと思います。

バンドであれば、ベースがD#音を弾いて、ギターやキーボードがB7を弾く、という事になります。

アコースティック・ギター1本で弾く場合には、コード構成音のいくつかを省略して弾きますが、ルート音のBをD#に差し替えるのが一般的でしょう。

初めのうちは難しく考えず、D#の部分は気にせず、そのまま弾いてしまっても問題ありません。

Blackbird

こちらは世界的にも有名なアコースティック・アルペジオの楽曲、The Beatles「Blackbird」です。

この楽曲の作曲者はPaul McCartneyです。

The Beatlesには、John Lennon、Paul McCartney、George Harrisonという3人のギタリストがおり、後期になっていくほど、その個性が顕著になってきます。

コードとハーモニーを理論的に重視する、McCartneyらしい楽曲ですね。

余談ですが、アコースティック・ギターの1弦が切れた状態で作曲されたという、曰く付きの?楽曲です。

この楽曲を弾き語り出来たら、相当な上級者です!

イントロと歌い出しは3/4拍子ですが、メインは4/4拍子で、途中2/4拍子に展開していくという、この時期のThe Beatlesらしい実験的な構成になっています。

まずは拍子とリズムの関係を把握し、リズムの確認をしていくことから始めましょう。

GーAmーG/BーGーG

CーA7/C♯ーDーB7/D♯ーEmーEm/D♯

DーA7/C♯ーCーCm

G/BーA7ーD7

G

アルペジオでよく用いられるツー・フィンガー奏法またはスリー・フィンガー奏法で弾くことが一般的かと思いますが、それだけでは運指的に厳しいと思います。

実際にMcCartney本人は、高度なテクニックで独特の弾き方をしているようです。

本格的コピーを目指す方以外は、アルペジオの練習と割り切って練習するのが良いのではないでしょうか。相当な技術がないと完コピは難しいでしょう。

この楽曲は、ギターのアルペジオの持つ、コードの響きが美しさを体感できる楽曲です。

そしてお気づきでしょうか、前述の「糸」と同じオン・コードが逆の形で出てきています(半音ずつ上昇していく)。

これもアルペジオで、つまりギター1本で効果的な演奏をするためのポイントの一つです。アルペジオに慣れたらぜひ挑戦してほしい楽曲です。

そもそも、アルペジオとは?オススメのパターンについて

Arpeggio(アルペジオ)とはイタリア語であり、アルペッジョと発音する方が近いかもしれません。

先ほども書きましたが、アルペジオは日本語で「分散和音」と言い、コード・トーンをバラバラに弾く奏法になります。

まずはコードのトニック音を鳴らし、低音から高音もしくは高音から低音へ、順番に弾いていくことが基本的な奏法ですが、もちろん順番は無視して弾いても構いません。

アルペジオによるバッキングは、リズム感やコードの深みを演出できる奏法です。

ギターでは、特にアコースティック・ギターの、ゆったりしたテンポのバラードのような楽曲でマッチするので、よく使われます。

Simon&Garfunkelにも代表される、美しくて優しく、透明感のある歌声のバックとして、ギターを覚えるにおいて避けて通れない道です。

アルペジオのパターン

それでは、Cコードのアルペジオを弾いてみましょう。

ちなみに、各音を押さえる指も一緒に示していますが、必ずしもそのとおりに押弦しなくても結構です。

慣れてきたら、自分が最も楽な運指が出来るように押さえてみましょう。

  • 5弦3フレット 薬指
  • 4弦2フレット 中指
  • 3弦 開放
  • 2弦1フレット 人差し指
  • 1弦 開放

これを、5弦、4弦、3弦、2弦、と8分音符で指弾きします。

続けて、1弦、2弦、3弦、2弦と、8分音符で弾きます。

結果的に、ドーミーソードーミードーソード(CーEーGーCーEーGーCーGーC)という1小節分の分散和音になり、基礎的なアルペジオ奏法です。

Cコードのルート音、5弦3フレットの「ド」をしっかり響くように強めに鳴らすと、コード感が曖昧にならず、音の動きも明確にさせることが出来ます。

これがしっかり鳴らせるようになったら、次は4小節で、さらにコード進行に発展させていきます。

これから以下、例として、CーAmーFーG7というコード進行にしてみます。

Amは、

  • 5弦 開放
  • 4弦2フレット 人差し指
  • 3弦2フレット 中指
  • 2弦1フレット 薬指
  • 1弦 開放

このコードでも同じように、5弦、4弦、3弦、2弦、1弦、2弦、3弦、2弦と弾きます。

Fは、

  • 6弦1フレット 人差し指(セーハ)
  • 5弦3フレット 薬指
  • 4弦3フレット 小指
  • 3弦2フレット 中指
  • 2弦1フレット 人差し指(セーハ)
  • 1弦1フレット 人差し指(セーハ)

このコードでは、6弦、4弦、3弦、2弦、1弦、2弦、3弦、2弦と、単純に高音から低音への順番ではなく、複雑に弾いていきます。

G7は、

  • 6弦3フレット 薬指
  • 5弦2フレット 中指
  • 4弦開放
  • 3弦開放
  • 2弦開放
  • 1弦1フレット 人差し指

このコードも前述のFのように、6弦、4弦、3弦、2弦、1弦、2弦、3弦、2弦と弾きます。

これで、ダイアトニック・コード進行の4小節のアルペジオ・パターンが完成しました。

基礎的なポイントは、まず最初にルート音を鳴らしていることです。

そのルート音を綺麗に響くように、そしてしっかりとアタマ拍に合わせるように強めに鳴らすと良い感じになります。

続いては、右手で弾く弦のパターンを変えてみましょう。

5弦、3弦、2弦、3弦、1弦、3弦、2弦、3弦 と弾いてみます。

Cコードでは、ドソドソミソドソ(CーGーCーGーEーGーCーG)となるので、かなり印象が変わると思います。

アルペジオのパターンでは、弾く弦のパターンによってコードの印象が変わるので、その楽曲にあったパターンを使用したり、色々とアレンジしてみましょう。

リズムへの意識を保っていれば、多少ミス・トーンがあってもさほど気にならないものです。

まずはアルペジオ奏法でのリズムをしっかりと意識しましょう。

ギターのアルペジオの弾き方のコツ(ピック・指弾き)

アルペジオ奏法は、ピックでも指弾きでも、どちらでも良く使われる奏法ですが、もちろんどちらで弦を弾くかによって、楽曲の印象はかなり変わってきます。

普段ピックでアルペジオを弾いているのを指で置き換えてみたり、もちろんその逆もありです。

イントロはアルペジオでしっとりと始まり、盛り上げたいところでコード・ストロークに変えるといったやり方で曲を構成するのは良くあるパターンです。

アルペジオの種類

・スリー・フィンガー奏法

親指、人差し指、中指の3本で弦を弾きます。

基本的には親指で6、5弦のベース音を鳴らします。

・フォー・フィンガー奏法

親指、人差し指、中指、薬指の4本で弦を弾きます。

スリー・フィンガー同様に、親指で6、5弦のベース音を鳴らします。

スリー・フィンガーに比べると、あまり使用例は多くないようです。

・ピック

ピックを使う場合は、

  1. ピックだけを使う
  2. ピックと、余った指(中指、薬指)を使う

以上の2パターンがありますが、当然②は難易度が高いです。

ピックで弦を弾けば、当然指より硬さがあるため、アタック感の強い硬質な音が特徴になります。

指を使えば、温かみのある優しい音になります。

楽曲の雰囲気に合わせて、どちらでも弾けるようにしておくと良いでしょう。

右手のコツ

弦を弾く右手のコツは、6弦それぞれの位置をしっかり把握することです。

コード・ストロークであれば、ほとんど気にしない点なのですが、アルペジオでは次はどの弦を弾くのかを意識なければいけません。

さらに指弾きであれば、どの指でどの弦を弾くかということも気にしなければいけないので、さらに難しいです。

間違って違う弦を弾いていまうと、失敗したと落ち込んでしまうものです。

少しのミス・トーンもなく無駄な音も鳴らさず、完璧に弾けるようになるには、相当な練習が必要になりますので、初めのうちは細かいミスを気にせず、リズムに合わせる事を一番に意識しましょう。

アルペジオでは、譜面やタブ譜が細かくなるので、それに気を取られているうちにフォームが崩れてしまいがちですので、安定させるために、右肘はギターのボディにしっかりと付けます。

そして、肩が凝らないように肩の力は抜くようにします。

手首をリラックスさせて、指で弦を弾くようにします。

指に力が入っていると、リズムがぎこちなくなるので気をつけます。

ゆっくり練習しているうちに、右手が自然に弦の位置を覚えてきますので、焦らずに繰り返し何度も練習しましょう。

アルペジオは、もともとスロー・テンポの楽曲で良く使われるので、高速で弾く必要はあまりありません。

ピックでアルペジオを弾く場合には、ボディに小指を付けて練習すると弦の位置が覚えやすいです。その際は手首のスナップを使って大きく動かすのではなく、小さい動きで弾きましょう。

また、ピックのアタックは、必ず弦と平行に当てることを意識してください。斜めに当ててしまうと、ダウン・ピッキングとアップ・ピッキングの音に違いが出てしまうなど、アタックがバラバラになってしまいます。

左手のコツ

アルペジオで最も大事なことは、1音1音を綺麗に美しく鳴らすことです。

つまり、ストローク奏法に比べると、全ての弦をしっかりと押弦できていないといけないので、ゴマカシが効かないと言えます。

特にロー・コードで演奏する場合には、指を立てて押弦している弦以外の弦を干渉しないように気を付けてください。

意識して押弦している指を他の弦に干渉させてミュートさせるテクニックもありますが、まずは基本をしっかり覚えましょう。

また、アルペジオを弾いている最中に、押弦している力が弱いと、音が途切れてしまうことがあります。

このような音になるのも、やはりしっかりと押弦できていないからなのです。

正しく押弦されていると、ブツブツと音の途切れることのない、スムースなアルペジオになります。

楽曲を弾く時は、ついつい簡単なストロークばかりで弾きたくなってしまいますが、前述のとおりアルペジオをキチンと練習してマスターすれば、より音楽的な演奏ができます。

また、将来弾ける楽曲の可能性がも広がりますし、オリジナル楽曲の際も活用できるようになります。

もちろんストロークのリズミックなプレイも魅力なのですが、静かなアルペジオの美しさは別の良さがあります。

技術的にもストロークとは異なるものが求められますが、コードへの理解も深まりますので、ぜひマスターしましょう。

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